目次
ワインの基本情報
ワインの特徴、おすすめポイント
シャトー・シガラス・ラバウドは、ボルドー・ソーテルヌの格付け第1級に輝く名門シャトーです。所有する畑は14ヘクタールと格付け第1級の中でも最小規模ながら、その質の高さは「シガラスの宝石」と称えられるほど。南向きの斜面に広がる砂利質土壌と、近くを流れるシロン川がもたらす霧が、ボトリティス菌の発生に理想的な環境を作り出しています。
このかけがえのないテロワールを最大限に生かすため、シガラス・ラバウドでは伝統的なワイン造りを守りつつ、近年は環境保全と生物多様性にも力を注いでいます。化学物質の使用を避け、有機的な栽培方法を取り入れることで、ブドウ本来の力を引き出そうとしているのです。
そうして生まれた2019年ヴィンテージは、タンジェリンやレモンマーマレードの皮、クローバーハニーやスパイス、オレンジの花々など、複雑かつ強烈な香りが印象的。口に含むと、柑橘系のコンポートやハニー、スパイスの濃密な風味が広がります。その濃厚なテクスチャーはフレッシュさとよくバランスがとれており、壮大な余韻へと続きます。
この奥行きのある味わいを生み出すのは、9月から11月にかけて何度も行われる収穫と厳しい選別。機械では不可能な、貴腐菌の付いたブドウだけを手作業で丁寧に選び抜くことで、最高の状態の果実だけが使われるのです。発酵と熟成には100%フレンチオークの樽を使用し、そのうち33%は新樽。木樽のニュアンスも深みのある味わいに一役買っています。
シャトー・シガラス・ラバウドの真髄は、畑に植えられたブドウ樹そのものにもあります。セミヨンとソーヴィニヨン・ブランを伝統的な「マス・セレクション」と呼ばれる方法で選抜し、代々受け継いできた優秀な樹を守り続けているのです。