ワインの基本情報
ワインの特徴、おすすめポイント
シャトー・ラトゥール・マルティヤックは、フランス・ボルドー地方のペサック・レオニャン産地に位置する歴史あるワイナリーです。その起源は12世紀にまで遡り、当時はベネディクト会の修道士たちが所有していました。現在の城は18世紀に建てられ、1930年からはクレスマン家が所有しています。
42ヘクタールに及ぶブドウ畑では、主にカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、プティ・ヴェルドの赤ブドウ品種が栽培されています。また、少量ながらソーヴィニヨン・ブランとセミヨンを使った白ワインも生産しています。
ラトゥール・マルティヤックのワインは、バランスの取れたエレガントで繊細な味わいで知られ、ペサック・レオニャン産地の「典型」とも称されます。テロワールを表現することに重きを置き、ヴィンテージによって12~18ヶ月の樽熟成を経た赤ワインは、数十年にわたって熟成させることができます。
1953年のボルドーワイン公式格付けでは、グラーヴの特別級(Grand Cru Classé de Graves)に選ばれるなど、長年にわたって数々の賞を受賞してきました。また、持続可能な農法へのこだわりでも知られ、テラ・ヴィティスやHVE(高環境価値)など、複数の機関から認証を受けています。
そんなラトゥール・マルティヤックが生み出した2020年ヴィンテージは、深みのある紫がかった黒色をしており、ブルーベリーや黒スグリ、マルベリーの香りに、チョコレートやアニス、苔むした樹皮のニュアンスが加わります。口に含むと、しなやかなタンニンとよく溶け込んだオークが感じられ、驚くほどの深みを持っています。
ブラックオリーブを思わせる黒果実の香りに、柑橘系の爽やかさが絶妙なアクセントとなり、ワインに精度と焦点を与えています。グラスを染め上げるような濃密な色合いからは想像もつかないほど、凛とした味わいとタンニンを兼ね備えているのです。
エレガントでありながらも力強く、時間をかけて徐々に本領を発揮していく1本。まさにペサック・レオニャンの「ダークホース」とも言える逸品を、ぜひ早い段階でお求めください。